着目したのは誰もが知っているフードチェーンとしての食育。この店舗の最大の特徴は『CoCo キッズ スペシャリスト』。いわゆる職業体験である。特別な空間で子供達がこの店舗限定開発のキッズメニューを各々好きに料理していく。作り、食べる喜びを存分に感じられるプログラムを狙った。そして、完成されたチェーン店のオペレーションはそのままにメニュー以外でいかに店舗体験を変化させることができるのか。考えたのは、ワクワクするカレーの世界、そこに並ぶ特別なオブジェやサイン、そして一番長く過ごす食卓のデザインである。スプーンやカレールー、無数のトッピングをイメージしたカラーリングが店舗内を彩りいつものスプーンでできたシャンデリアやお米型のサインがキッズの期待感を膨らませる。カレールーをイメージしたイラストをプリントした有機的なテーブルは、画一的で効率を優先するチェーン店にはない特別な居場所となった。
必ず新店開店時に一番に訪れる、名のないファン。新しいココイチの姿を心待ちにしていたスタッフやその家族。次の企業カルチャーが垣間見え、未来のココイチファンが生まれるこの場でカレーを食べるひとときは、いつものココイチよりもどこか笑顔で溢れていた。